高級品を買う気持ち

銀座バーニーズニューヨークへ買い物へ行く。
若い頃はまだしも、今や自分じゃそうは行かない場所だ。
こういう衣装類に対する憧れというものが、今やないというわけではないが、ここではないという感じ。
そもそも手が出ないし。
なのになぜ行ったのかと言うと、以前から仕事でのボーナス代わりにバーニーズのギフト券を頂いていて、それがいくつか溜まっていた上、有効期限が近づき、焦っていた。
わ、金券を無駄にしてしまう。行かなくちゃ。
せっかくのご厚意を無駄にしかねない。なのになぜか使わないとという義務感で出かける私。。
なんとも言えない気持ちを持ちながら、そんな自分を諫めながら。
ハイブランドが並ぶ店内。
出かける前のオンラインショップでもチェックしたりしていたのだが、どうもピンとくるものがない。
尖ったデザイン性は全然いらないし、シンプルにいいものがあればいいのに。
で、これはどう?と思うとバカみたいに高い。
萎える。。。
あ、ほら、せっかくのご厚意にこんな態度って。。
まあ、そんな中、自分にいけそうな商品に絞って店内を見て歩く。
ストールなら欲しい。カシミアの高級ストール。自分じゃなかなか手が出ない。
この辺りが一番無難かな。
とは言え、はやり立つほど心がグッと掴まれるわけでもない。
色味なのかな。この中ならこれかなと思えるものはせいぜい1点か2点。
カバンも見たが、どうもない。
お財布は私の希望のミニマムを満たすものがあった。
これなら、ありかも。
もうちょっと見てみよう。
あと偵察するはニットだ。シンプルなニット。
カシミアのニット。ひゃー高い。自分じゃ絶対手が出ない。
一回りして気になるものを絞り、試着させてもらった。
グレーとネイビーの色違いで、着てみると一目瞭然。グレー一択。
でももう一着、気になったネイビー系のニットが頭をよぎり、店員さんにだいたいの商品のあった場所を伝えて、お願いしてみるも、どうも見つからない。
試着したままだったけど、私もまた店内に出て、この辺りだったはずだけど、、、なんて言いながら、店内を一回り。
あれ、どこだっけ?自分でもわからなくなってしまった。
店員さんはできたもので、この辺りも見てらっしゃいましたよ、とかこの白いの手に取ってらっしゃいましたよ、など、ちゃんと私の動きをチェックされていたのに、感動してしまった。接客のプロとはこういうもの?!
まあ、バーニーズ、お客入りが少ないのもあるかもしれないけど。
なんとか気になった商品を見つけ出す。
店員さんからの似たようなシンプルなニットの提案も併せて、続けて数枚試着。
そして、最終選考2択に至る。白のクルーネックか最初のグレーのVネック。
どちらも5万円近くする商品。絶対絶対自分じゃ買わない。買えない。
こんな時はそういうものをせっかくだから買ってみるとしようかと思った。
結局は最初のグレーのニットに決めた。
数枚あったギフトカードを合わせて使い切った。
なかなかな買い物をしたのと、ギフトカードの使命を果たしたのと、どちらも達成感。
こんななかなか出来ない買い物をさせて頂き、上品なニットを手に入れられたことに心から感謝しよう。
さっきまでブツブツ心の中で言ってた自分を恥ずかしく思いながら。