try

「コーダ あいのうた」という映画を観た。
家族のみんなが、ろうあ者の中、ただひとり健聴者の主人公の少女が、
家族の愛としがらみに葛藤しながらも、音楽、歌の才能を開花させていく。
とてもいい映画だったのだが、中でも私の心に残った場面があった。
映画のストーリーとは関係なく響いた。
コーラスの先生が主人公に問う場面。
「君は歌を歌う時、どんな気持ちがするんだい?」
「どう言ったらいいかわからない」と答える彼女。
それに対して先生はひと言 "try"と言う。
訳では「表現してみて」だったのかよく覚えてないし、
そもそも私は英語が聞き取れるわけではない。
tryがあまりに簡単な単語だったので聞き取れた訳だけど、
とにかくその言葉がわたしにはとても響いた。
この自分の中にある感情を言葉に出来ない、上手く伝えられないってたくさんある。
コーチングにおいては、特に。
その時にかけてあげる言葉がtryというのが、あまりにもフィットすると思ったのだ。
普段、私はどんな風に声をかけるだろう。
「何か言葉にできるかな?できそう?」
何か促してあげたくて言葉を発する。
でも、何か回りくどくて、いらぬ思いが纏わりついてしまう感じがある。
トライ。「試してみて」日本語ではどうもうまく響かない。
勇気を持って!やってみて!
チャンスに挑む大袈裟なことではない、
でも、その言葉に含まれる励まし、エールがとても素敵だと思った。
今、これに当たる表現は見つけられないけど、
自分自身にはかけてあげることはできる。
「try」良い言葉だな。